雨の日の心理学【2月予定表】
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2025年2月予定表
今回ご紹介する本はこちらです。
「雨の日の心理学」
心理学の専門家である東畑開人さんによる、素人のための心理学の授業といった内容です。
この中に「ケア」と「セラピー」という2つのかかわり方が出てきます。
「ケア」…相手を傷つけないようにすること。その人のニーズを満たすこと。
「セラピー」…傷つきと向き合うこと。ニーズを変更し、自立を促すこと。
ここで重要なのが、必ず「ケア」が先にあり、「セラピー」はその後だということ。
特に、すでに傷ついている人にとって、いきなり自分の傷つきと向き合うのは難しい。
ふだんは「ケア」があり、必要に応じて「セラピー」を行い、また「ケア」に戻る…
といったように、カウンセリングなどではこの二つを循環させていくようです。
個別指導においては、このような感じでしょうか。
「ケア」…できることに着目し、自信をつけること。ほめて、楽しく過ごすこと。
「セラピー」…できないことに着目し、できるようになるための課題を設定すること。自立して学習できるようにすること。
おそらくカウンセリングと違うところは、学習においては、正解と不正解が明確に表れるところです。
問題演習やテストなどに取り組む中では、できないことに着目しない方が難しい。
どうしても目についてしまうのです。
だからこそ、できることに着目する「ケア」は必要以上に意識しておかなければいけない、と思っています。
もう一点、この本の後半に大事な内容があります。
ケアする人もケアされなければならない、ということです。
ケアは日常にありふれており、その多くは軽視されている。
そういったケアを行う人をケアする視点が、今の社会には足りていないのではということです。
普段私たちがする仕事は、授業における学習指導のみ。
それ以外の家庭でのケアは主に保護者さんが担っています。
どうすれば力になることができるか。
これについてはまだ自分には難しいことが多く、これから考えていくべき課題です。
ただ今は、目の前の子どもたちが毎日を楽しく過ごし、成長する姿を見せることが、間接的にケアにつながればと思っています。
さて、今年も受験生にとって自分の力を試す大事な月となりました。
自信をもって、できることを一つ一つ積み上げていってほしいです。
今月もよろしくお願いします。