ECHO通信

教科書を’’ただ読む’’だけの難しさ【5月予定表】

5月の予定表はこちら↓
2024年5月予定表

 

寺子屋はこの一週間お休みでした。

その間に、気温がどんどん上がり

もう熱中症に気を付けないといけない、そんな暑さになりました。

 

最近は生徒さんに合わせて、教科書を一緒に読み込むサポートもしています。

その中の一部を抜粋します。

’’このころの宮廷では、娘を天皇に近づけたい藤原氏が、教養をつけさせるため、紫式部や清少納言のような家庭教師を娘に付けました。
このことにより、宮廷には才能ある女性が集まり、世界初の長編小説である紫式部の『源氏物語』や清少納言の随筆『枕草子』など、感情を表現しやすいかな文字を使った女性による文学が盛んになりました。’’(中学生の歴史・帝国書院)

 

二文を引用しましたが、いかがでしょうか。

大人であればサラッと理解できるかもしれません。特に藤原氏、『源氏物語』などは大人であれば既に知っているため、理解しながら読み進めることができるでしょう。

ただ実際の中学生の場合、特に読み取りが苦手な子にとってはそうはいきません。

一緒に読んでいく上で、確認が必要だと思うポイントをざっと挙げてみます。

 ・宮廷とは何だったか
 ・娘を天皇に近づけるとはどういうことか
 ・紫式部、清少納言が人名であり、女性であること
 ・紫式部が『源氏物語』を書いたこと
 ・『源氏物語』が長編小説であること
 ・清少納言が『枕草子』を書いたこと
 ・『源氏物語』『枕草子』ともにかな文字が使われていること

他にもあるかもしれませんが、このあたりが気になるところです。

本来であればここに書いていないこと、例えば、藤原氏の意図は何か、『源氏物語』はどのようなストーリーかなど、話を広げていくと思いますが

特に長い一文になると、書いてあること自体の読み取りが難しくなります。

大人の「当たり前」をとにかく疑い、その子に合わせて確認をしながら進めていく。

なるべく答えやすく、短めの質問を投げかけていく。

このようなことが大切だと考えています。

 

教科書は非常によく作られており、文章も読みごたえのあるものになっています。

あとはお子さんに応じて、使い方を工夫していくのが私たちの仕事です。

子どもにとっては苦労は多いと思いますが、努力を通じて、少しでも自分で生きる力を身につけていってほしいと思っています。